最後の夜
君は一言も話そうとはしなかった
視線を逸らしたまま
ただ口を噤む
何かを隠している時は
いつもそうだった
君にとっても別れることは
何も感じないわけじゃない
ただそれ以上に
隠したい事があるだけ
そんなことは解ってる
それを僕が
認めたくなかっただけ
だから今も
君を好きな僕のまま
同じ場所を
彷徨っている