煙草

〜僕から君への最後の言葉〜

 

辞めたはずの煙草を君が

再び口にするのはきっと

それは僕のせいなのだろう

 

寂しそうに微笑む君は

その身を哀しみ色に染め

初めて出逢ったあの日と同じ

迷子の子猫のようだった

 

一人きりで震える君を

もう一度だけ抱きしめられたら

僕の心など壊れてもいい

 

少しだけ、そう思った

 

4年の月日で僕が君に残せたものは

これで何もなくなってしまったけど

 

もう一度君が僕を好きになる

そんな必要まったくないから

なにも遠慮はしなくていい

いつか君が困った時には

僕に話していいんだよ

 

それが僕の

僕から君への

最後の言葉だった