すべてが嘘になる

 

いつかこんな日が来ることは解っていた

それでも僕は君と出逢い

そして君を愛した

 

真直ぐ見つめる君の瞳に

微かな翳りがあることを

僕は知っていた

 

二人で過ごした街

与え合った時間

泣いた日もあったっけ

でも、笑い合った時間が多い二人には

今の現実はつらすぎる

 

君に逢えないことは

生きる意味を奪われること

君と話ができないことは

僕は独りぼっちになったということ

 

でも、

本当に悲しいことは

そんなことじゃない

 

二人で過ごした

穏やかな時間

幸せの色が目に見えるほど

濃厚で安らかな時間

 

そのすべてが嘘になる

 

それが一番悲しい出来事