浸蝕

 

もう、二度と逢えない

 

だけじゃない

 

連絡先も消息もわからない

いずれ、そうなってしまうのだと

そう思うと焦燥感に駆られる

 

一度入ったスイッチは

なかなか元には戻らない

 

時間と空間の歪みに

ストンと落ち込んだように

目に見える全てが色褪せ

世界が遠退いていく

 

何か他のことを考えようと

もがけばもがくほど 心は

浸蝕されていく

 

あと、どの位の時間が

残されているのだろう