聖人君子

〜崇高な人々〜

 

人が人を羨むことを止めない限り

争いが絶えることはなく

人が幸せになることもない

 

人を無差別に愛することは

誰も愛していないことと同意で

誰を幸せにすることも出来ない

 

心の傷は自分で思う以上に深く

人に与えた傷はそれ以上に深く

思う以上に打たれ強い自分がいる

 

決して笑うことのない女性を愛することも

笑うことしかできない女性を愛することも

結局その意味は同じもので

僕は僕のために

そのどちらも捨てたいと願い

そしていつも捨てられない

 

気づけばまた

雨に打たれた子猫を抱きしめている

 

心と言うミルクと

現実と言うパン

限りある人生と言う名の時間を

削りあい、与えあう

そんな二人の時間に

嘘はあるのだろうか?

 

いい加減な男に見えるだろうか

愛を知らぬ男だと思われているだろうか

周りを見れば聖人君子

誰かこの子を助けて欲しい

もっと賢い、正しい方法があるのなら

この子の命を

繋ぎ止められる者がいるのなら

 

僕の汚れた翼より

崇高で清らかな

君らの翼で