最後の恋人

 

偶然再会した駅のホーム

君の隣には優しげなひと

思わず顔を伏せ

悲しみに引き込まれそうな僕に

君は優しく微笑みかけた

 

僕は顔を上げ

満面の笑みで手を振った

隣にいた優しげな人は

僕に軽く会釈して

君の手を握った

 

それでも君は

僕から目をそらさず

笑顔で僕に語りかけてきた

僕にはそう思えた

 

突然消えた君を

少し恨んだりもしたけど

きっとそれは間違いだった

今でも君は心の何処かで

きっと僕を好きでいる

君の笑顔は

それを僕に教えてくれた

 

誰にでも

人には言えない事もある

だから

形にならない恋もある

言葉に出来ない愛もあるんだよ

 

だから今も

君だけは忘れない

 

僕より少し年下の君

僕がまだ

今より子供だった頃の

最後の恋人