冷蔵庫

 

耳を澄ますと不思議なもので

どこからともなく音が聞こえる

冷蔵庫の低い唸り声

時計の針のチッタのリズム

ハードディスクがカラカラ歌い

君の浴びるシャワーの雫

 

案外賑やかな部屋だったんだな

しんと静まり返った部屋の中には

二人の暮らした音が生きてる

 

耳を澄ますと不思議なもので

自然と涙がこぼれてくるよ

僕の愛した君がいて

今はもう

視線が合うこともないけれど

瞳を閉じればいつでも君は

僕に優しく微笑みかける

 

君の傍に居たかった

たとえどんなに

辛くても