握り締めた拳

 

いつだって

この手の中に

明日への扉の鍵はあった

 

ただ、

握り締めた拳を

開くことが出来なかった

 

いつだって君は

開くことのないこの拳を

優しく包んでくれていたのに

 

いまだって

この手の中に

明日への扉の鍵はある

 

ただ、

君の居ない扉を

開く意味はない

 

そしてこのまま

握り締めたままの拳で

誰かを傷つけ

僕は生きてゆくのだろう

 

いつだって

君を思う心に

嘘や戸惑いはなかった

 

ただ、

カタチに出来ない思いなど

何もないに等しい

 

そしてきっと

どんな行為も

ただのカタチ

 

握り締めた拳

僕のこの拳の中に

本当に鍵はあるのだろうか