夏雲

 

僕はいつまで君の事

心に覚えているのだろうか

二人で歩いたあの道に

今年も夏がやってくる

 

 

あの頃まだ

僕の腕には傷もなく

いつでも君が其処にいて

君の笑顔は僕を満たし

僕の左の手のひらは

いつでも君を抱きしめていた

 

君の笑顔と甘えた声

この瞬間 その笑顔

僕だけに向けられた君の心

 

僕の膝で眠る君

 

ずっと俯き生きてきた君

怯えながら 傷つきながら

自分の居場所も見つけられずに

彷徨う子猫のような君

初めて見つけた安息の時

永遠に続くことを祈ってた

 

誰よりも愛しい君

 

二人で歩いたあの夏を

君は今でも

心に覚えているのだろうか