名も無き花

 

街角に咲いた花を

踏みつけて先を急ぐ人波

その存在に気づくことなく

散り逝く花を顧みることもない

 

しかし窓辺に花を飾り

心優しき己を讃える

 

街角に咲いた花を

踏みつけて先を急ぐ人波

その足を睨み付け

ふと立ち止まった夕暮れ

 

ひっそりと咲いた その

名も無き花を見つめ

このまま立ち止まる事を決意したのは

いつの事だったろう。。