無限回廊

 

振り返ればいつも

そこには君の笑顔があった

今はもう居ないことは

窓の曇り具合が教えてくれる

 

ひとりきりの部屋は

すべてが薄く

時も

鼓動も

窓の曇りも

すべてが遠のき

色褪せてゆく

 

切り取られた空間は

時の狭間に堕ち込んでゆく

 

己が尾を喰らう蛇の如く

繰り返される永劫の闇

 

閉ざされた過去は愛を呪い

呪われし愛は未来を閉ざす

閉ざされた未来は過去を嘆き

その嘆きが過去を閉ざす

 

産み落とされた無限の回廊

 

君を生かし続ける為

僕は歩き続ける