綺麗

 

美しいという事は

少なからず意地悪だったり

狡賢くなる

そういう事なのかもしれない

 

狡いから美しいのではなく

美しいから狡いわけでもなく

「美しい」 それ自体が 「狡い」

そういう事なのかもしれない

 

僕が君を好きになった理由は

君が美しいからではなく

時折見せる可愛らしさと

時折見える哀しみを

愛してしまったからかもしれない

 

「今までの他の誰とも変わらない」

 

君が告げた最後の言葉が

今も心に響いている

 

見た目が美しい女性にとっては

寄りつく男 全ての者が

見た目で判断しているのだと

はじめから決めてしまっている

そういう事なのかもしれない

 

君を思う僕の心と

君の抱える哀しみが

君を綺麗に見せてはいたけど

僕が君を愛した理由は

見た目の美しさとは違う

 

僕は僕の精一杯で

君を大切に思っていたけど

上手には

表現出来なかった

 

伝えられなかった思いなど

君にとっては無いに等しい

他の誰とも変わらない

 

そういう事なのかもしれない