凍える冬

〜Hourglass〜

 

改札を出て左へ曲がると

君の部屋へと続く道のり

桜並木に抱かれた川は

僕らの時を映してた

 

募る思いを告げた夕暮れ

小さな蕾のままの二人

君の温もり 髪の香り

初めて抱きしめた夜

 

一人にして、ごめんね。

 

そう言って消えた君を

思い出す度 僕の心は

真冬の裸の桜の枝に

凍える蕾を思い出す

 

今、桜は咲き乱れ

絵の様な時は過ぎ去り

この道の先に君の部屋はない

 

時は流れ 季節は巡り

4度目の桜の季節に

僕の心は今、君を思う

 

君の心の砂時計

最後のたった一粒を

もっと強く もっと優しく

愛する事ができたなら

 

桜並木に抱かれた川は

今も笑顔を映していたのに

僕は傷付き 疲れ果て

愛する事さえ忘れ去り

 

一人にして、ごめんね。

そう言わせたのは僕だった

 

僕の心は桜の枝に

今も凍える蕾を映し

桜並木に抱かれた川も

君の笑顔を映すことなく

 

改札を出て左へ曲がると

僕の心の砂時計

君の部屋へと

続く道のり