白銀の世界

 

恋は、限りなく悪意に近く

愛とは、限りなく孤独に近く

 

深き愛を持つ者は

深い悲しみに沈み

浅き愛を語る者は

自己愛に溺れる

 

いつか見た夢の続きに

やはり今でも届くわけなく

降り積もる雪のように

僕の手だけをすり抜けてゆく

 

足元に広がる大地は白く染まり

僕は独り寒さに耐える

尾を丸めたリスのように

祈る姿でただぢっと

 

君が思うほど

僕は強くない