赤い月

 

いつか見た月

その赤い光を浴び

記憶の海を臨む

 

君と出逢ったあの日から

僕の人生の歯車は

動き出していたんだ

 

この腕の傷も

溢れる思いも

涸れ果てぬ涙も

独りきりの心も

すべては君との出逢い

そして別れがもたらした

永遠に続くような短い夢

 

形に出来る筈のない心を

形にしようとしたとき

僕は君を失い

消えることのない

傷を刻んだ

 

今はまだ

そのすべてを受け入れることは

僕には出来ない

 

ただ、少しずつ

そして、ひとつずつ

瞳を閉じる事が出来たなら

きっといつかは

 

この赤い月も

きっといつかは

 

その色を失い

淡く優しく微笑む月に

きっといつかは