赤い空と単車とおまえ

 

やたら仕事に追われ

やたら時間に追われ

やたらおまえに逢えない日々が続き

やたら不安な日々が続く

手に入れたものの数より

失ったものの方が気になるけど

 

すべてを捨てて行こうと思った

おまえに逢いに行こうと思った

失われた時間を取り戻すため

手に入れたすべての物を捨てて

おまえに逢いに行こうと思った

 

あの頃よく おまえを乗せた

あの単車に独り跨り

ただひたすら南へ向けた

やたら風が痛かった

やたら頬が冷たくて

ボーダーラインが太かった

 

つらいのは俺だけじゃない

おまえだけでもない

 

もうおまえに逢えない事に気付いた時…

弾けた単車の隣に寝転び

赤い空を眺めてた

 

せめて“さよなら”だけでも言いたかった

赤い指で書いてみた

・・・愛してる