62年前の少女

 

昔 あの土手の上で

一人の少女と出遭った

その少女は自転車に乗っていた

まだ小学生にもならない私の横を

まるで爽やかな春風のように

通り過ぎていった

 

出逢いはそれで終わり

たったそれだけの事なのに

 

最近 思う

 

私が逝く時 思い出すのは

あの少女の

爽やかな笑顔なのかもしれない